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地獄の黙示録 ファイナル・カットのjyoのレビュー・感想・評価

5.0
『1917 命をかけた伝令』、『彼らは生きていた』、『名もなき生涯』等、このところ戦争映画が多く公開されている中、『地獄の黙示録 ファイナル・カット』は、その集大成とも呼ぶべきであろう。

私の生涯ベスト1の作品だ。

制作中の数多くのトラブルが起きたのは有名な話でそんな困難の中見事完成。難産でありながら賛否両論を巻き起こし、「後半0点」と言った評価も受けながらも大ヒットを記録し、今では映画史上に残る傑作として君臨している。

初公開の1979年から20年に『特別完全版』が公開され、今度新たに『ファイナル・カット版』が公開。 映画館の技術が向上した事もあり、IMAXでの公開も実現した。

オープニングのヘリの音から鳥肌ものである。何度も観ている場面なのに映画館だと衝撃が走り、182分となった『地獄の黙示録』は、まるで最新の映画のような輝きがある。40年前の作品であると誰が思うだろうか?

この『ファイナル・カット版』は基本的には『特別完全版』がベースとなっており、場面によっては細かくカットされた箇所がある。

この映画のファンは、どこがなくなってどこが追加されたのかと気になるはずなのでその辺についての言及は控えるが、やや雑に思える部分もあればスッキリした部分もある。内容についての改変もほぼ皆無。

一言でいえば、『初公開版』の良い部分と『特別完全版』の良い部分がミックスされたといった印象だ。

説明の少ない『初公開版』と説明の多い『特別完全版』をファイナル・カットで調整したという感じだ。

正直言えば、3つのバージョンでどれが1番好きかと言われたら『特別完全版』である事には間違いない。(『特別完全版』は私の映画人生を変えた作品でもあるためでもあるが)

しかし、形を変えて昭和、平成、令和に公開された『地獄の黙示録』というこの巨大な映画は、それぞれのバージョンも全くと言っていいほど古さを感じず、寧ろ新しさを増すばかりである。カメラワークから音楽から美術も全てだ。それが、今IMAXの大スクリーンでかかっている。最も映画館で観ないといけない映画の一つだ。

そして、IMAXで観る『地獄の黙示録』は格別だ。IMAX以外に他にない。
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