EDDIE

地獄の黙示録 ファイナル・カットのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.4
エキスポIMAXレーザーにて鑑賞。CG一切なしのこだわり抜かれたカットの数々、爆撃の破壊力が肌で伝わる。巨大スクリーンで観れたこと自体価値。ワーグナーの「ワルキューレの騎行」のシーンは最高にアガった!「朝のナパーム弾の臭いは格別だ」

前々から観たかった作品が遂に劇場で、しかもIMAXで鑑賞できました!もはや語彙力を失ってますが、めちゃくちゃ凄かったー!!!
これ通常版も153分で、完全版が202分ってことで尻込みしてたんです。そしたらこのたび完全版の無駄を削ぎ落としたコッポラ監督の意向に沿ったファイナルカット版が劇場公開されるということで、この機会を逃す理由はありませんでした。
しかも俳優陣が凄い。本作の重要人物ウォルター・E・カーク大佐をマーロン・ブランド。終盤まで写真しか出てこないので、果たしてどんな姿をしているのか、お預けを喰らってる感覚で焦らされましたが、さすがの存在感でした。
一番印象的だったのが序盤のみでしたが、存在感も大きく名言も残してくれたビル・キルゴア中佐を演じるロバート・デュバルですね。本作はマーティン・シーン演じるウィラード大尉が、カーク大佐を抹殺する極秘指令を受けている設定でしたが、正直キルゴア中佐も大概でしたよ。どんだけサーフィンしたいねんと。めちゃくちゃなことやってるんですけど、なんだか憎めないんですよね。
ほかにもウィラードを目的地まで送り届ける仲間の1人、若手の隊員クリーン役にローレンス・フィッシュバーン。めちゃくちゃ鬱陶しい性格で正直主要キャラで一番嫌いなんですけど、彼の最期を考えるとそんなこと言えない…シェフ役のフレデリック・フォレストも良かったですね。レストランの料理人を目指していた彼は、やりたいことをやっているわけでもない戦地での体験でどんどん頭が混乱していくんですよね。
終盤カンボジアで戦場カメラマンとして登場するデニス・ホッパーも奇怪なキャラでした。
そして、当初ウィラード役の候補にも挙がっていたハリソン・フォード。撮影の見学に来ただけで端役として出演したらしいですね。ホント序盤にちょっとだけの登場でしたがイケメンでした。

作品としては、コッポラ監督も作品のテーマを見失ってしまうほど迷走したようですが、182分の長尺ながら目を見開いて集中して観てしまいました。次に何が起こるのか、一つ一つの演出が素晴らしい音楽やBGMに彩られ楽しく観ることができました。

ベトナム戦争の厳しさをまざまざと見せつけられ、もちろん私自身戦争賛美するつもりは一切ないのですが、どうしても映画として面白いと言わざるを得ない作品としての力を感じました。
今回IMAXで鑑賞したこともあり、爆撃のシーンや銃撃のシーンはとてつもなく迫力がありました。鳥肌が立ったほどです。

さらにウィラードと行動を共にする隊員たちの先に進むにつれて精神状態が不安定になっていく様子が戦争の行われている現地の恐ろしさをリアルに体現していました。
音響の良いところであれば、また何度でも観たい。特にキルゴア中佐の出演シーンとナパーム弾の炸裂シーンは。

※2020年劇場鑑賞43本目
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