なにこれ!超面白い!後に“黒人ラップの父”と呼ばれたミュージシャンでありコメディアンのルディ・レイ・ムーアが、どのようにして人気になっていったのかを描く伝記映画。
彼の芸風も相まってとことん下品な内容だけれど、伝記映画あるあるの絶頂期を迎えたあとの挫折や苦悩を露骨に描かないため(それどころか最後まで絶頂期なので)、ずっとノリノリでストレスフリーで観れる。
たとえルディ・レイ・ムーアにとって頭を抱えるようなつらいシーンが来たとしても、持ち前の明るさによって決して暗くならない。あまりにも見やすくて楽しすぎる。
後半の『ディープ・スロート』からアイデアを得て、B級映画を製作するシーンはまさにその馬鹿馬鹿しさの真骨頂。ある意味、黒人版『エド・ウッド』と言うべきかもしれない。ただ『エド・ウッド』よりはかなり陽気で明るい。
見方によれば『ブギーナイツ』とも似ているけれど、それよりも更にパンチが効いていて強烈。エディ・マーフィの体を張った喜劇演技も含めて、かなり記憶に残る映画だった。超好き。