キモサベ

街の上でのキモサベのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.5
あのコロナで公開延期となり、さらに公開後も緊急事態宣言などで動員にも影響が少なからずあったでしょう作品

そんな背景を知ったからか、観ていてホッとしたのは自分だけでしょうか? 映画の中の人々が“マスク”をつけていないこと・・・そんな当たり前の風景がとても“尊い”ものに思えてしまうのです

いやぁ~、荒川青を演じた若葉竜也、うまいですねぇ 
古着屋でのカップルの客の問答に立ち会うあの“腰が引ける”感
お巡りさんの“職質”かと思いきや、お前の話かいっ!
映画撮影後の“没”をめぐる監督さんとのやりとり
・・・などなど、上質のコメディ観ているようです

青君、好青年じゃないですか・・・今どきのスマホ人間と違って
本読むは、人と会話するは・・・天然記念“物”じゃない、“若者”です

これから変わりゆく下北沢という町、それでも変わらないそこに集う人々、今泉力哉監督自身がそんな通過点を切り撮っておきたかったのでしょうね、きっと

【追伸】
劇中、主人公の清が食事している店での、別の客の会話
「この店、来日時には必ずヴィム・ヴェンダースが来るらしいよ」
「何が好き?」
「ベルリン・・・」・・・みたいな

そういえば、本作もヴェンダースらしいかも、なんて感じました
キモサベ

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