あなぐらむ

大人の同級生のあなぐらむのレビュー・感想・評価

大人の同級生(2019年製作の映画)
1.5
上野オークラでR18版「大人の同級生 させ子と初恋」を鑑賞。

2018年2月の神納花作品以来の竹洞組田舎ピンク映画。
ローカリズム志向は変わらない上に、ミニマリズム的な作劇が映画としての弾みを無くし、薄い絡みが寒々しい時間を産む。劇場で観ている老人客を睡眠に誘うこの時間。もう一般映画に行きなよ。裸必要ないじゃん。セックスいらないじゃん。

ヒロインのAV女優なつめ愛莉は芝居もなかなか達者、乳もプリプリで読者モデル役というのも納得なかわい子ちゃん(エロのポテンシャルも本来はある)だが、彼女が田舎に帰って来る事が物語を駆動しない上に、対立軸のサブヒロイン、香山亜衣の登場が明らかに遅く、停滞が続く。
思いつきみたいな膣トレ描写も最後まで機能しないのは苦しい。ガジェットで見せる工夫は無いのか?

そんな中、ベテラン加藤ツバキさんが安定の農家女優ぶりを炸裂させ貫禄を見せるが、津田篤さんも含め使い方が段取り部分だけとはどういう事なんだろう。そこで絡み一回使う?普通。
折笠、細川の両若手男優はよくやってると思う。細川はいよいよ仕上がってきた感じ。今ではすっかりメジャーなイワヤケンジさんがそこここに笑いをくれる。
一点、これは撮影部に。ツバキさん家のシーン、フリッカー出てるじゃねぇか。素人じゃないんだからさ。このR15作品が完成版なんだろうが、その為にカット尻をわざと長くして、尺調整してるように勘ぐってしまうのよ。この負のループ何とかして欲しい。
問題になのは、加藤義一にはまだ性映画のギミックを考える部分があるが、竹洞哲也にはそれが無い所。いまおかしんじみたいな技量があればいいよ? 無いじゃん。
彼が撮りたいのは田舎でじくじく暮らす若者の屈託でしかなく、ヤリたいという気概すら既に彼らには無くなっているという、いわば監督自身がピンク映画に飽きているという心象。若い役者が可哀想ですよ。