悪魔の毒々クチビル

サイバー・ゴースト・セキュリティの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

4.3
ハワードと相棒のランギは下水系の仕事仲間である。
ある日ランギが最近出たポケモンgoの幽霊版、もとい位置情報ゲームを携帯で遊んでいるとランギの携帯の放った閃光によって何故かハワードにはゲームに出てくる幽霊が見えるようになってしまった。
パニクる二人の前に突如、同じゲームをやっていた一般人が凶暴化して襲い掛かってきた。
何とかそいつを退けると今度はネクロマンサーを名乗る謎の三人組が現れ、ハワードに衝撃の事実を伝える。
実は古来より人類はネクロマンサーと呼ばれる悪魔狩りvs悪魔による死闘を永きに渡って繰り広げており、何やかんやあって現在、悪魔に身体を乗っ取られたハワードの死んだと思っていた母親がインターネットを通じて人類の魂を喰い尽くそうと画策しているとのこと。
そしてハワード自身も驚異的な潜在能力を秘めたネクロマンサーなのである。
いきなりのことで理解が全く追い付かないハワードだが、悪魔の手はすぐそこまで迫っている。
果たしてハワードはおかんの野望を阻止出来るのか。



「ゾンビマックス」のキア・ローチ=ターナー監督の新作です。
前作が超ハイテンションゾンビ映画でして、個人的に結構好きな作品でした。
ゾンビを燃料にするとか、そういう楽しい設定も良かったですよね。

今作でもそういったぶっ飛んでいて楽しい設定が引き継がれています。
今や悪魔もネットを使って世界征服を目論む時代なんですねぇ。
取り憑かれた人間相手には普通に銃をぶっ放しますが、悪魔にはイカしたレーザー銃やバズーカなんかを使っていて格好良かったです。

あと劇中唯一のコメディキャラである相棒のランギは早い段階で殺されてしまうのですが、ハワードの謎パワーによって生き霊として復活。
ハワード達の助けになってくれるのはいいけど、意外と役に立たないどころか足を引っ張りまくる所が笑えました。あの腕ビチャアアア!!って結局何だったのかしら。
激太りしたイコ・ウワイスみたいな見た目も愛らしい。ちゃんと見せ場もありますよ。

そしてハワードの母親でありボス悪魔を演じているのは何とモニカ・ベルッチ。
かなり久々に観たけど、相変わらずの美貌なのが凄いな。

ハワードの味方になるネクロマンサー姉妹も格好良かったです。
特に妹の方は「ランド・オブ・ザ・デッド」の時のアーシア・アルジェントっぽくて最高でした。
2丁拳銃スタイルが良いなー、とか思いながら観ていたら後半とんでもないことになっていてびっくり…していたら更に凄いことになっていてもう最高でした。(2回目)
演じたのはテス・ハウブリックていう女優でして。俺が観たことある作品だと「エイリアン/コヴェナント」に出ていました。どうやらネオモーフに殺された隊員のようです。
「ウルヴァリン/SAMURAI」にも出演していたみたいだけど、調べても全く思い出せへん。
今後の活躍も楽しみだなぁ。

あと、今作で一番のハイテク機器が3Dプリンター。
実際色々な使い道が模索されていますが、劇中では悪魔を倒すのに必要不可欠な道具ってだけでなくハワードの力で魂さえ無事なら新しい身体すら造り出せる万能っぷり。
今後はロボットやVRではなく、3Dプリンター1強の時代が来るのではと思っちゃうよね。
霊媒士さんやエクソシストさん達にも是非この3Dプリンターの汎用性に注目していただきたいですね。

ゴアシーンは期待していた程血みどろでもなかったし、ちょいちょいCGも混ざってはいたけど腕が千切れる場面とか画が凄くキマっていたのがいくつかあって良かったかな。
あぁ、あと悪魔モニカさんはネクロマンサーの頭を片っ端から刈っているんですけど、その頭の使い道が中々エグかったですね。あれ全部そうなのか…と考えるとゾッとします。

まぁ、モニカ・ベルッチの姿をした悪魔とね、美人姉妹や生き霊化した友人と戦う映画って時点でもう楽しいからね。
「ゾンビマックス」が好きな人は是非こちらも。と言ってもまだ日本での公開は未定ですが。