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新蛇姫様 お島千太郎のmitakosamaのレビュー・感想・評価

新蛇姫様 お島千太郎(1965年製作の映画)
3.5
東映YouTubeにて。知らなかったがどうも「蛇姫さま」というジャンルがあるそうな。
元々烏山藩(現栃木県那須烏山)の民話があり、それを川口松太郎が娯楽小説にしたとのこと。何度か映画化されていて今作は美空ひばりバージョン。
でも主役となる美空ひばりが演じるお島は、本来のストーリーとしては脇役なんだな。(いちおう琴姫との2役ではあるが。というかこの当時の美空ひばりは2役演じる不文律でもあったんか???)

烏山藩の商家で家老の息子が乱心し店主を斬り殺す。その敵討ちをで息子の千太郎(林与一)が相手を斬ってしまったので、千太郎は逃亡することに。
その際に旅一座に入り芸人として諸国を回ることとなる。
この旅芸人の一番人気・お島が美空ひばり。酒とギャンブルが好きで中々ハスッパな性格。こういうキャラは美空ひばりによく似合う。
旅を続けて二人は良い仲に。これが思いのほか千太郎が亭主関白なんだよなー。

一方、烏山藩の家老はご禁制の焼き物の密売で設けようとしており、邪魔な琴姫も抹殺しようとしている。琴姫は剣豪の一刀齋に密偵させているが、間を取り持っていた千太郎の妹は殺されてしまう。
それ以来千太郎の妹は蛇の姿で兄や琴姫を守るようになる。一時、琴姫が妹の敵だと勘違いするが、誤解が解け千太郎は家老のいる大勢に一人立ち向かっていく。
なんか、千太郎って血の気が多いなぁ(笑)

そういえば焼き物の密売って座頭市の血煙り街道でもあったネタだね。

それにしても今作は本当にひばりが役にピッタシ。ガラッパチだがせんさいという役どころを見事に演じてる。演技力の高さも明確に判るわ。
特にお島が琴姫に食ってかかるシーンは良い。散々悪態をついた後に恋しい千太郎を助けてと涙ぐむ姿に思わず感動してしまう。
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