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もちのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

もち(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

こういう映画、個人的にとってもツボ。何が面白いのかは良く分からないのだが、いつまでも観ていられるような優しい時間がそこには流れているのである。

本作はフィクションのような、ノンフィクションのような不思議な雰囲気。出演者が実在する村の皆さんと言うだけあって、良い意味で芝居が芝居になっておらず、高いリアリティを感じる。『もち』という極めてシンプルなタイトルが出るまでのシークエンスと主人公が恋する相手に餅のプレゼントを用意しているシーンはたまらなく好きだ。説明のためのモノローグではなく、心の声が駄々洩れているモノローグにはつい笑ってしまった。自分にもあんな時代があったよなぁと、、

本作はここまで書いてきたように「もち」に関するエピソードはもちろん、失われつつある伝統などさまざまな題材を扱っている。それは60分という尺では扱いきれないほどだ。もし機会があるなら、別の題材でも良い、、似たような雰囲気を持つ作品を長編で作ってほしい。本作だってずっとみられる気がしたのだ。長編だっていくら長くても観ていられるだろう。次回作にも大いに期待したい。
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