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69歳のmarucoのレビュー・感想・評価

69歳(2020年製作の映画)
3.8
69歳観ました。

私は何故69歳なんやろ…、
そんな想いと好奇心から本作を選んだ。
そしていざ本作、
重く深く哀しく、
憤怒と絶望に打ちひしがれる
そんな作品との出逢となった。

69歳の女性(ヒョジョン)が
29歳の男性介護士にリハビリと称して
性的暴行を受ける。それ以来、
ヒョジョンは日々地獄のような、
フラッシュバックとトラウマで苦しみ、
ついに暴行被害で警察に通報する。
それを契機に、
ヒョジョンの幸せであった日々が
痛々しく苛烈に一変する。

ヒョジョンは69歳という年齢のため、
理由なき認知症と疑われたりまともに
取り合ってくれない警察、輩たち。
ただそこには唯一、
男性同居人の優しいまなざしだけ
があった。

青年加害者は冷静に、
「合意の上であった」と語る。

私はどこかで読んだのが、
69歳はぎりぎり60代と目される。
なので60代は中年、
70代を高年という…、
今、青年期中年期高年期がまさに
曖昧であること。
ヒョジョン69歳.
中年と高年のはざまにいてる。
これは監督の意図がちゃ〜んと、
含まれているらしい。

ヒョジョンの美しき佇まい、
人格と尊厳を抱き続けた心。
知的で清廉潔白な信念。
潔く嘘のないヒョジョン。
69歳ヒョジョンこそ真の若さの
象徴ではなかったのだろうか、
そんなふうに想った。 

自戒の念を持ちつつ言いたい。
自分達より早く死ぬであろう、
予測できる人間を老人扱いするのは、
大罪だと思う。
marucoには80を越したおじ(い)さんの
友達がいる。
驚くほどに気持ちが若い、
そして負けん気の塊のような人。
自尊心で溢れかえってます。

人が人を老人扱いすることほ、
絶対に成らん!あっては成らん!
断じて成らん!
赦されないことやと思う。
私はそれを昔から思ってる。
老人っていったい何?
老人の対語が若人であるならば
老いる人間、老いた人間…、
こんな侮蔑語は削除抹消するべきだと思う。
本作はそのようなことも
改めて深く問いただす作品と思った。

ラストシーンの終いかたは、
既視感が無くもないけど、
ヒョジョンはおおらかに笑ってた…、

それなら本当に良かった
幸せな人生に戻してあげたい❤

マタアワセテクダサイ


そうそう、
それと大事なこと。
次回は、
皆様おなじみの、
【69】という、
もう一つの数字のお話、
熱く語らせて下さい。

股合わせて下さい💐
maruco

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