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ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.2
目から鱗だ。衝撃的で興味深い事実。
ザックリ言うと、人類、肉食いすぎて健康も環境も損なってまっせ、てこと。
栄養学、環境、そして食肉産業の闇と多角的で視野の広い考察のてんこ盛りで見ごたえがあった。

格闘家のジェイムズ・ウィルクスは膝の靭帯を負傷したことから、肉体改造の必要性を感じ、菜食の方がタフな体を作れるという論文を発見して菜食主義に関心を持ち、菜食主義のアスリートや菜食主義を奨励するスポーツ・ドクター等の専門家を訪ねる。そこで肉食と菜食の固定概念を突き崩す事実を目の当たりにする。

これ見る限りをタフでポテンシャルの高い肉体を得たいなら菜食主義になるしかないという気になってくる。
持久力が格段にアップしたトレイルランニングのチャンプ、40手前でオリンピック出場権を勝ち取った競輪選手。この2人は体がシェイプされ持久力がアップしたから、まあ、菜食で余計な脂肪が落ちたからからな?ぐらいに思ってたけど、総合格闘技の選手、ボディビルダー、アメフト選手、極めつけは500キロの天秤みたいのを持上げ移動する競技(競技名失念)の選手まで菜食にしてポテンシャルを上げている。見た目から肉食必須な面々だけにこれは驚いた。特に天秤⚖️の人なんてマ・ドンソクより筋肉達磨だからね笑

たんぱく質は動物由来の方が優位性があるというのは実は科学的な根拠はない。19世紀の学者がエピデンスもなしに提唱し、それが広まっていったことが語られる。
そもそも人間はそれほど肉食に適してはいないらしい。人間の歯には肉食動物のような犬歯はなく猿と同じように植物や木の実を食べるのに適してる。古代ローマのコロッセオの闘士達は菜食中心の食事をしていたことが彼らの遺骨の分析で明らかになる。
この辺をきっちり専門家が説明してくれるので説得力がある。
そしてさらに驚くことに精力も菜食の方が旺盛になる💨
これは実験してて、3人の男性に肉食の食事をした日と菜食の食事をした日の夜に、男性器にセンサー付きの装置を付けて寝てもらい、男性器の活動を測る。
結果は3人とも菜食の日の方が男性器に豊富な血液が流れ、固さ、持続力ともに数十、数百倍アップしてた笑
この実験、なかなかマヌケでユーモラスで被験者の3人も装着する装置見てニヤニヤしたり、絶倫になった自身の数値見て照れながら爆笑してた🤣見てる方も共感羞恥がビンビンになって笑っちゃったよ🤣🤣

そんないいこと尽くめの菜食主義なのに何故、パワーが落ちる。植物性タンパクは動物性に劣ると言われてきたのか?
それは巨大産業と化した肉食業界が19世紀の根拠なき動物性タンパク優位を利用し積極的にイメージ展開していき、それが浸透したから。
しかし、過度の肉食は確実に人体を蝕む。ここでシュワルツェネッガーが登場‼️ボディビル界は肉食を過信して危険な状況にあることを切々と語る。シュワも今は菜食主義らしい。
過度の肉食、特に加工肉は血管に脂肪を蓄積させ心不全を誘発する。思えばシュワも心臓の血管の手術してる。

この肉食の過食と加工肉の危険性を指摘する声は医療者達から上がったが、食肉産業は無視し続けてる。それどころか一部の医者達を抱き込んで肉食の安全性をでっち上げるプロパガンダを始める。
傀儡の医学者に危険性を否定させ、恣意的なデータや論文をいつくも提出する。
この都合の悪い事実を業界が無効化する手法はタバコ産業から始まり、今やあらゆる業界が使ってる。
危険性を無効化するデータや論文を企業から請負う専門会社の存在も明らかになる。過去何年にも渡り、製品の危険性を指摘された企業が反証に上げてきたデータや論文のほとんどがこの会社が出してきたものだという。
こういうの我々もつい最近経験したよね、コロナで。無症状者の検査は意味がない、とか、発熱しても3日は様子見てから病院行け、オフィシャルからインディー系まで色んな御用学者が政府の妄説の擁護してたよね。中には三浦瑠麗みたいな医者でもないやつまで。アイツは国際政治学者だろ?査読論文0だからそれすら怪しいけど笑 ドヤ顔でネトウヨレベルの無理スジな政権擁護を何かある度に捲し立てるイカれた女にしか見えないぜ笑
金とリソースをケチるために悪質なプロパガンダを駆使する意味で食肉産業と我が国の政府は同じ穴の狢だと思った。
金のある悪党の手口は万国共通だな笑

ここまででも充分、深く視野の広い展開なんだけど、話は地球環境にまで及ぶ。
食肉産業から出される排水は世界全体の排水の15%にも及ぶ、ハンバーグのパテ1つ作るのに2400リットルの水が使われる等、資源のロスや環境破壊の大きな一因になってることも語られる。

この畜産業の環境破壊についてはある程度知ってたのでそんなに驚かなかった。意識高い系のパンクスなんで環境破壊や動物の生命尊重の観点からヴィーガンを標榜してるバンドを聴いていたから笑
こういうことを80年代から訴えていた、主にイギリスのアナーコ・パンクやクラスト系のバンド達(CRASS、conflict、concrete sox、EXTREME NOISE TERROR等)に対する畏敬の念が強くなった笑

やはり驚きなのは菜食主義の方が体のポテンシャルが高くなるってこと。
これも言われてみれば思い当たることがある。
5年ぐらい前にDS−13てスウェーデンのハードコア・バンドが来日してライブ行った時にボーカルの人と写真撮ってもらったんだよ。顔を間近で見たら肌が綺麗で驚いた。おっさんなのに若者的な艶と張りがあった。脂ぎってないし。彼もヴィーガンだったんだよね。
それとEARTH CRISISてヴィーガン・ミリタント・ハードコアを標榜してるバンドがいて、当然ヴィーガン。彼等も今はいいおっさんなのにライブ動画見るとパワーとキレが全然衰えてないんだよね。
EARTH CRISISは所謂ニュースクール・ハードコアってやつで音はデスメタルやグルーヴメタルの影響が強くて強度の高いものなんだよ。そういう音を今でも昔のテンションでやり続けられてるのも菜食のなせる技なんじゃないかと思ったり。

ちなみにニュースクール・ハードコア、昔はあまり好きじゃなかった。メンタリティーやアティチュードは間違いなくパンクなんだけど、音にほとんどハードコア・パンクのエッセンスがないし。速さより重さに重心起きすぎててスピード落としてビート叩きつけるパートばかりでゲップが出そうになって。このスピードを遅くして叩きつけるパートを信条とすることでビートダウン系と呼ばれる一派も出てきた。
確かにビートダウンは怒りを表現するには向いてるけど、重いし濃すぎて疲れる笑
でも、今、けっこうハマってんだよな、ニュー・スクール・ハードコアに。
あまりに政治がクソ過ぎてこの憤懣やるかたない怒りと憎みにコッテリ特濃なビートダウンがマッチするんだよ。何か浄化されるというか、ビートダウンに打たれることで肩凝りが取れるみたいな笑
オススメはReprisal、knuckledust、Bum Den Out、KICKBACKね。己のアンガーフィーリングに身を焼き焦がされそうでツラいというお悩みをお持ちの方は聴いてみてね。Reprisal以外はヴィーガン・バンドじゃないけど笑
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