このレビューはネタバレを含みます
かなり自然で、リアルな体験ができる映画だった。素朴で切ない描写に感情移入できるし、登場人物たちのテンポも良くて見入ってしまった。
刺さって、2回見た。
大事にしたい関係で、一緒にいられたらそれで良いと思える純粋な気持ちだけど、それだけでは一緒にいられないのが恋だった。
「眠れない夜に、1人で散歩して、君の虚像を探している途中、
今この瞬間、君の実像と一緒にいる人間が、いるかもしれないと考えてしまった時の、取り返しのつかない孤独が分かるか」
「僕の好きな人は、永遠に僕を好きにならない」
恋をしていると現実のその人と向き合えていなくても大切な人が頭の中にいつもいる。頑張れるけれど、でもそれは虚像かもしれなくて、現実で2人を繋ぎ止めていたのは一緒にいる時間だけだった。気持ちに気づかなければ、関係が進んで繋ぎ止められなければ一生頭の中で虚像を追うしかなくなるのだろうか。
けれども、それでもいいと、純粋に好きな人を思う男の話だった。
この映画の終わり方は忘れないと思う。