ネピネピ

プラットフォームのネピネピのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

縦社会、階層社会を物理的に再現しちゃった映画。

一応全員で取り分ければ皆が食べれるだけの分はあるようですが、食べ物にありつける順番を決めただけでこの有様です。誰か一人でも私欲を満たそうとするだけで途端に皆に行き届かなくなるという脆いシステムでもあるので、自然に平等が実現するとは到底思えませんね。

上階層の者は下階層の者のことなど考えないし意見など聞かないというのも現実と同じ。下層にいた者ほどその悲惨さを知っているので上層に上がったときには下層の者に優しくなれそうなものですが、そうもいかないというのは悲しいですね。これは一ヶ月ごとに地獄のシャッフルが行われ、自分の立場が不安定になるので人に優しくする余裕など生まれにくいというシステムのせいでもあります。長期的に自身の地位が保障されていれば人のことも考えれるようになるんでしょうか?難しいですね。

偶然上位層になっただけで下階層に辛辣に接する様は、先進国等の恵まれた国に生まれた人々が貧困国へ向ける意識と似たものがあるように思います。貧困や犯罪に手をつけてしまうことは、時に構造的な問題から生じるのだと突き付けられているように感じました。
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