まーしー

すべてが変わった日のまーしーのレビュー・感想・評価

すべてが変わった日(2020年製作の映画)
3.5
息子を失った老夫婦(ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン)。
息子の嫁が孫を連れて再婚したものの、その結婚相手は暴力的な男性だった……。
孫を取り戻そうと奮闘する老夫婦を描いたサスペンス映画。

実際にありそうな話。
ただし、嫁が再婚した相手の実家がすごい。
完全に振り切れている。価値観や文化の違いだけでは片づけられない。特に、家の大黒柱とも言うべき母の威圧感は、もはや反社会レベルだった。

前半の孫探しのロードムービーから一転、後半はホラーとも言うべき恐怖の連続。
手斧を使った痛々しい場面もあり、時には目を背けたくなる内容だった。
また、決してスカッとしないエンディングは、胸糞の悪さを伴うだろう。

原題は「Let him go」=「彼を手放して」。
孫を取り戻したい老夫婦の切実な訴えを指しているのだろう。
原題が示すとおり、孫を巡る2つの家族の対立は見応えがあった。
老境に差し掛かったケヴィン・コスナーとダイアン・レインも、孤独感や寂寥感が滲み出ており、さすが名優だと思った。
抽象的な邦題で損しているが、掘り出し物だと思えた一作。