A8

カモン カモンのA8のレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.8
想像したことは起きなくて、想像しなかったことが起きる、人生はその連続だ。だがら前へ進む、前へ進んで、また前へ進んでいくんだ。“カモンカモン”。

NY在住のラジオジャーナリストが、ちょっと関係が難しくなった妹の子供を預かりカクカクシカジガお互いに成長していくという物語。

あったかくて、純粋で、自然で、、こんなに綺麗な作品と出会えてよかった。観たものの心に優しさを分けてくれるような作品だった。

ゲームをうまく攻略するにはとりあえず進んでいくことが大事なのだろう。そして自分の心を知るために立ち位置と目指す方向を考える時間も必要だ。だけど、立ち止まってる暇はない。人生とはゲームをどれだけ進めれたかなのだ、、上手く進めるためには進んで、学んで、また進む。そうしたら自然とうまく前に進む力がつく。

人と接する時は表面だけじゃ何もわからない。簡単な挨拶さえ機械的でいつでもロボットの代替が効く無意味なものに化すだろう。大事なのは、真っ裸になること。隠していたら大事なものは見えない。恥ずかしいけど、大切な事は体の見えない奥の方にあるのだから。相手が子供だろうと、見知らぬ外国人だろうと、本当に通じたいのならばそうするべきで他に方法はないであろう。

笑顔が綻ぶ素敵な伯父さんという印象を受けた。演じるのはかの有名なホアキンフェニックス、、前作の「ジョーカー」とはまるで180度違った役柄のギャップは、別人である。が、ホアキンフェニックスという役者にしか出せないであろう“味”というのが確かにあった。その“味”の正体を解き明かすのにはなかなか大変な年月がかかりそうだが、確かに言える事はそう簡単に紐解けない彼の魅力と抜群の佇まいにヒントがあることだろう。

人は経験と引き換えに柔軟性を失っていく、
なんで空は青いの、人はどうして生きていくのとか、、目まぐるしい日々の中でどうでもいいと取捨してしまうあたりまえだけど大事な疑問があるはずだ。

どんな未来になっているのか、そこにどんな自分がいるのか。
それは誰もわからない。
さあ、カモンカモン、カモンカモン。
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