日の出食堂

衝動 世界で唯一のダンサオーラの日の出食堂のレビュー・感想・評価

2.5
フラメンコダンサー、ロシオモリーナの活動を追ったドキュメンタリー。本番のシーンもあったが、やはり生で見なければ伝わらない部分が多いだろう。映画館で見たので音の臨場感は味わえたけれど。
印象に残っているのは、彼女の母親が芸術に身を捧げる娘を「可哀想だ」と涙する姿。しかしモリーナは親の心配を理解しながらも、自分の全てをフラメンコに捧げることが、自分の宿命だと受け入れているかのように、ひたすらフラメンコに打ち込んでいく。自分の感覚を極限まで切り詰めて一心に取り組む姿は神懸り的で、現代の巫女のようだと思った。
それから、フラメンコダンサーのレジェンドらしいラ・チャナが、老体に鞭を打ちモリーナの公演に出た時のパフォーマンスも鬼気迫る凄みがあって、彼女もまたフラメンコの神に選ばれたような、特別な存在だと感じた。