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暗闇でドッキリの一人旅のレビュー・感想・評価

暗闇でドッキリ(1964年製作の映画)
3.0
ブレイク・エドワーズ監督作。

『ピンクの豹』(1963)に続くオリジナル版「ピンクパンサー」シリーズ第2弾で、前作では準主役級だったクルーゾー警部が本作から主役に昇格しています。監督は前作に引き続き喜劇の名手:ブレイク・エドワーズ。

パリ警察の問題児であるクルーゾー警部が、とある大富豪の邸宅で起きた運転手殺害事件を捜査していく中、犯人を特定できないまま更なる殺人事件が続発してしまう…という殺人推理コメディで、殺人現場に度々居合わせている美人家政婦:マリアへの恋慕のゆくえを織り交ぜながら、謎多き連続殺人事件の真相に近づいたり(遠ざかったり)するクルーゾー警部の一進一退の捜査模様をドタバタ騒動的に描いていきます。

超弩級のドジであるクルーゾー警部の空回りな奮闘が笑いを誘う捜査コメディで、事件捜査とは全く関連のない下らないギャグが随所に盛り込まれています。客観的事実に基づいて考えれば一番怪しい美人家政婦を“好きだから”という個人的事情で容疑者候補から真っ先に除外してしまうクルーゾー警部の公私混同の捜査模様の顛末がコミカルに活写されるオリジナルシリーズ第2弾で、主演のピーター・セラーズが間抜け過ぎるクルーゾー警部を軽妙に好演していますし、本作以降のシリーズ全作品に出演するハーバート・ロムもクルーゾー警部のアホ捜査に翻弄され狂気の沼に嵌り込んでいく名物キャラ:ドレフュス本部長を怪演しています。
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