マテ

プロミシング・ヤング・ウーマンのマテのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「プロミシング・ヤングウーマンは誰か?」というのが話題になっていたのを見かけて視聴。個人的な解釈としては、ニーナはもちろん、医学生だった当時のキャシーかな…と考えながら観ていたのだが、日本版ポスターに「私も彼女も」と記載があったのね。とりあえず解釈は一致したようで何より。
物語に関しては「覚えてない」「悪人じゃない」が加害したり傍観したりした彼らの心からの本音であることにとても落ち込む。元弁護士が自ら気付いたように、学部長がキャシーに気付かされたように、いつか何かのきっかけで思い出して悔やんだりするのだろうか。
でも彼らがしたことほど明らかな犯罪ではなくとも私たちは日々誰かと関わり合いながら、誰かを傷つけながら、誰かに傷つけられながら生きているわけで。私が誰かにした「覚えていないこと」は絶対にあるし、誰かが私にした「覚えていないこと」も絶対にあるはずなんだよ。少なくとも私はフラッシュバックみたいに他人にしたことを唐突に思い出して悔やんで生きている。だから、それもあって生きているのはとても怖いし他人と関わるのも怖い。
ラストで一応の決着はつくものの、あまりにキャシーが報われなくて、また落ち込んだ。彼女自身はこの結末でも満足なのかもしれないけれど、待ち続けるお母さんと「自殺だろうな」と思いながらもきっと期待は捨てられないお父さんに心が痛んだ。
マテ

マテ