チーズマン

るろうに剣心 最終章 The Beginningのチーズマンのレビュー・感想・評価

4.1
実写版では1番良かったです。

これまでの、一見上手くまとまってるよう見えるけどドラマの薄さが否めないダイジェスト的な作りと比べて、今作は剣心の過去だけをじっくり描けているので単体の作品として普通に見応えのある内容でした。

良い時代劇でした。

映画としての“間”とかもこれまでの実写版よりかなりゆったりしているので、そこを退屈に感じる人もいるでしょうね。


過去編だけを単体で最後に持ってくるのはかなりトリッキーな構成だと思いますが、個人的にはそれが良かったです。

忠実に丁寧に描いてます。
ただまあそこが良くも悪くもOVAの再現VTRみたいに感じる部分もなくはないですが、実際に人間が演じ、そして動くと、新しい見え方もあり、良かったです。

原作や、特にOVAでは剣心の人斬りとしての業の部分や、その業によって結ばれてしまった2人の男女の結末など、とても重たい内容でした。
今回、実写版を観て感じたのは、もちろん重たい話ではありますが、かつて心太という名だった1人の少年の青春時代とその終わりの話でもあったんだなと思いましたね。

同じ攘夷志士でも革命という形で仲間達命を燃やして青春を謳歌することもできず、暗殺者として1人っきりの孤独な青春時代なんですよね。

幕末の動乱に1番きつい形で青春時代を捧げた、その結果とてもあんな哀しい形で大人へと成長することになるとは、明るい話ではないですが、今作の実写版は追憶編をこういう目線で観れて良かったです。
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