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るろうに剣心 最終章 The Beginningのつるぴのレビュー・感想・評価

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2022/11/11

動乱の幕末。緋村剣心(佐藤健)は倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎(高橋一生)のもと人斬りとして暗躍していた。ある夜、緋村は居酒屋で男たちから絡まれていた女性・雪代巴を助ける。しかしその後すぐ巴に人斬りの現場を見られてしまったため、剣心は口封じのため彼女を側に置くことに。その後、幕府の追っ手から逃れるため、しばらく巴とともに身を隠すことになる。巴と暮らすようになった剣心は人を斬ることに葛藤し、次第に本当の幸せに気づき始める...。


元治元年(1864年)

黒船来航から11年...
時は江戸時代末期
尊王、佐幕、攘夷、開国
さまざまな野望と理想が渦巻く中

徳川幕府と維新志士...
剣を持つものは二つに分かれ、
戦いを繰り広げていた

京都・対馬藩邸 1月16日 早朝

〝新時代のため...あなたたちには死んでもらう。〟

縛られた状態で、口で刀を抜き、たった一人で皆殺し。

4月5日 京都・重倉家屋敷前

そこでも、皆殺し。

死ねない!大事な人がいる!と何度も立ち上がるが、殺した。その時、頬に切り傷を付けられた。

からまれていた巴を救う。
そんな男たちが剣心にからんでくる。が、そこにまた別の刺客が。その男を斬った時、目の前に巴が。

〝惨劇の場を血の雨が降ると表しますけど、あなたは本当に血の雨を降らすんですね。〟

とぶっ倒れる。

次の日、台所の手伝いをしていた。
どこかへ行ってくれと言うが、巴は聞かない。

剣心はまた人を斬る。
巴によって、人斬りに対して葛藤が生まれてくる。

新撰組が出てくる。

桂の知らせを聞いて、走り出す。
沖田総司とバッタリ会ってしまう。
戦っていると、斎藤一もやってくる。

巴が夜に剣心に毛布をかけてあげようとしたら、斬られそうになる。

〝もう暫く、お側に居させていただきます。今のあなたには、狂気を抑える鞘が必要です。〟

前に、私が刀を手にしたら、斬るのか?と聞いた質問の答え。
〝以前に問いに答えよう。貴方が刀を手にしても、俺は斬らない。どんな事があろうと、貴方だけは絶対に斬りはしない。貴方だけは...絶対に...。〟

そこに新撰組がやってくる。

家を用意したから、その時が来るまで身を隠していろと言われる。
〝どうします?私は別に、他に行く宛てはありませんけど。〟
〝全くないというわけでもないだろう...すまない。やはり、答えを相手に任せようとするのはずるいな。共に暮らそう。俺はこんなだからいつまで続くが分からないが。できれば形だけでなく、共に。〟
〝はい。お供させていただきます。〟

いやー、このシーンはキュンとしますな。

そして、2人の暮らしが始まる。

剣心、いつも座ったまま寝るな。
縁側でお茶を飲む。平和だ。

鏡で自分を見つめて、涙を流す。

〝俺は今まで、1人でも多くの人々の幸せを守るために、新時代を開こうと、剣を振るってきた。しかし、それがいかに思い上がりだったか...。幸せというものがどういうものなのか、俺は何も分かってなかった。ここでの君との生活がそれを教えてくれた気がするよ。〟

大根を手に持って、にこにこ。

〝あなたは近頃、よく笑うようになりましたね。〟

そこへ、男が現れる。
桂さんは“逃げの小五郎”と陰口を叩かれている。お金と、薬を作って売れと道具を置いていく。
〝あんた、今日から薬屋の女房じゃ。〟

抜刀斎の抹殺が企てられていた。

縁が訪ねてくる。連絡係だから。と。

本当に薬屋やってるんだ。

巴が自分の家の話を始める。
剣心が殺した1人が、巴の幼馴染であり嫁ぎ先であった。自分が止めていれば、死なずに済んだのにと後悔していた。

そして、2人は結ばれる。

〝初めて会ったとき、あなたは血の雨を降らせるのですね。君はそう言った。平和のための戦いなど本当にあるのかと。〟
〝はい。〟
〝この先もきっと、俺は人を斬り続けることになるだろう。新しい時代が来るその日まで。しかし、その時が来たら、甘い戯れ言かもしれないけど、俺は人を斬るのではなく、人を守れる道を探そうと思う。この目に映る人々の幸せを大切に守りながら、罪を背負い、償う道を。巴、君が一度は失った幸せを今度こそ俺が守り抜いてみせる。〟
〝はい。〟

剣心が朝起きると、巴はいなかった。
巴は内通者だったと聞かされる。

剣心の懐に入り、弱みを握れと。
でももう、弱みなんてどうでもいいと。

日記を読む剣心。
自分の殺した男が巴の結婚相手だったと知る。

巴は本当に剣心を愛してしまった。
あの人は殺させないと。

抜け殻のようになった剣心。
たくさんの罠をくぐり抜けて、進む。

そして、と戦っている最中に、巴が現れて、巴もろとも斬り殺した。

最後の力を振り絞って頬に傷を付けた。

〝ごめんなさい。あなた...。〟

抱き寄せる。

家に帰ると、桂がいた。

〝ここで俺が刀を捨てれば、俺が今まで殺めた命全てが、本当の無に期してしまう。新しい時代がやって来るまで、俺は剣を振るい続けます。だが、新時代が来たらその時は...。〟
〝剣を捨てる...か。〟
〝分かりません。ただもう二度と人は殺めない。もう二度と。決して。〟
〝そうか。〟

去ってい行く、桂。

日記。

無念を晴らすために過ごしていたのに、いつの間にか大切な人になってしまった。

“あの人が私の幸せを奪った人。殺したいほど憎んだ人。なのにこのままでは、あの人を本当に愛してしまう。あの人はこれから先も人を斬り、けれど、そのさらに先、斬った数より、大勢の人を必ず守る。ここで決して死なせてはならない。私が必ず、命にかえても守る。さよなら。私が愛した、2人目のあなた。〟

〝じゃあ、行ってくるよ。巴。〟

家ごと巴を燃やして、思い出の家を後にした。


京都・鳥羽伏見の戦い (慶応4年1月)

ざっくざっく、人を斬っておりました。

〝きたか、新しい時代が。やっと。〟

〝緋村抜刀斎。これで終わりだと思うなよ?〟

刀を地面に突き刺して、去って行く。


今から約160年前
黒船来航から始まった“幕末”の動乱期

渦中であった京都に
“人斬り抜刀斉”と呼ばれる志士がいた

その男は、
動乱の終結と共に姿を消した

一人の流浪人となって


彼が再び姿を現すのは、
十年後のことである
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