1950年代。アメリカのある郊外の町…
町医者であるルイスの妻マヤ。彼女はパトリックという息子も授かり、幸せに暮らしていた。ある日、公園でパトリックを遊ばせている時に、背筋が凍る指笛を耳にする。それは、彼女を忌まわしい過去に引き戻す呪いのメロディであった。
戦時中、ルーマニア国内でも迫害され定住地を持たなかったロマ族。マヤはその一員だった。15年前、マヤの一家はナチス兵の集団に襲われ凄惨な暴行を受け殺害された。ただ1人生き残ったマヤは、ナチの1人カールの顔を記憶していた。そのカールが、殺戮の最中あの特徴的な指笛を鳴らしていたのだ。
マヤが公園で見かけた指笛の男は、トーマスという平凡な工員だった。スイス人で、戦後ヨーロッパでアメリカ人のレイチェルと結婚し、米国民となった男。しかしカールに似ているし、スイス時代の背景を誰にも語らない秘密主義者のようだ。そこでマヤはトーマスを「カール」と断定し、復讐のためある行動に出てしまう…
「マヤの秘密」
以下、マヤのネタバレ。
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ユダヤ人だけでなくロマ族の生活もナチスに蹂躙されていた、という視点は新しかったけど、いわゆる「歴史の闇」話ではなく、割とシンプルかつスリリングな心理劇です。マヤの秘密、トーマスの秘密、そして最後に夫婦の秘密。いくつもの秘密を通して夫婦のカタチを浮かび上がらせるので、既婚者には刺さる内容でした。ファーストカットがシャボン玉というのが幸せの儚さを象徴している風で良かったな。
にしても、ノオミ姐さんタバコ吸いすぎだろ^_^