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ファヒム パリが見た奇跡のbekuのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
4.0
主人公の成長、それを取り巻く環境の変化が物語のテンポを生み出し飽きさせない。「クイーン・オブ・カトゥエ」や「ボビー・フィッシャーを探して」と同様に実話をベースにしたチェス作品だが、移民という社会情勢を巧みに物語に反映させ、ただの成功物語とは一線を画す。

一方、チェスと主人公との関係性に疑問の余地が残る。主人公にとってのチェスやチェスとの向き合い方が、やや表面的で行動原理の理解に至らない。欲を言えば「完全なるチェックメイト」や「クイーンズ・ギャンビット」に描かれるチェスへの執着や人間模様を見たかった。
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