リョウ

ファヒム パリが見た奇跡のリョウのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
3.0
昔見たチェス映画で「ボビーフィッシャーを探して」がとても好きだったのでその手の刺激溢れる映画だと思っていたがチェス半分、難民問題半分といった感じ。どちらかというとチェスの天才児に焦点をあてるのではなく苦しい難民事情と彼を取り巻く周りの人間の優しさに触れた心暖まるヒューマンドラマに仕上がっていた。
最初主人公の面構えがメッチャ憎らしく見える。おまけに性格悪い、チェスに負けると「あいつはインチキだ」と怒ってチェス教室を飛び立つ始末。
しかしこの少年、数学も出きるしフランス語を覚えるのもメッチャ早い本当の天才児だった!!
それと引き換え父親の方は終始ニコニコしてるだけでヤル気の欠片もない、フランス語覚える気もない。しかもバングラデシュじゃ30分遅刻は当たり前的な自分勝手な思い込みをフランスでも通用させようとする、人は良いんだけどどこかダメ親父。
でも途中から語られるこの父親の苦悩やたった1度だけ見せる感情の爆発シーンを見ると何とも切なくなる。立て、立ち上がれー親父!!
こんな親父のもとフランスへの滞在許可など一向におりそうもないファヒム少年だが不思議と彼の周りの人達がメッチャいい人ぞろい☆
チェスしか頭にない世間ずれしたお師匠さん、あのライバルとの駆け引きが子供じみていて面白い。
そしてチェスも知らないのにチェス教室の運営をしているどこかしら可愛らしくみえるポッチャリおばちゃん♪最後にはとうとう頑張ってバングラデシュ語を勉強してたよ。
そしてチェス教室の子供たち。難民の子ファヒムに対して全く偏見も持たず言葉を教え、家にお泊まりさせてとどんだけ人間出来た子供たちだよ!
そのお陰でだんだんとファヒム少年も世間に打ち解けていく。いつの間にか表情から笑顔も生まれ礼儀正しいチェス少年へと成長していく。
そしてファヒムの為に最後に彼らは奇跡を起こす!!
マジかよというラストの展開だがこんな素敵な結末が起こせるなんてフランスは寛大な国だな~。ヴィバ、フランス!!
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