呪いと希望
🌸劇場版プリキュア第29作
🌸公開延期による異例の演出
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大変申し訳ないのだけれど、この映画にプリキュア5は絶対必要ないと思う。
🔷オールスターズメモリーズにて2人はプリキュア組が活躍したことで、過去のプリキュアを1シーズン抽出すればヒットが狙えるとどこかの誰かが見込んでしまい、こういうことになってしまった😖😖
やるにしても、オールスターズメモリーズがなぜヒットしたかの分析が明らかに足りていない。2人はプリキュアとプリキュア5のプリキュア史的立ち位置は全く違うはずなのに、同じ草創期作品だからと同枠にするのは見当違いに思える。
🔶それから、ヒーリングっとプリキュアはプリキュアの伝統(という名のジレンマ)を破壊した革命的作品であったのに、その劇場版がいかにも草創期プリキュアにあやかろうとするコテコテのやり方だったのが残念でならない。
🔷むしろ本作は、このプリキュア5以外は本当に完璧なのである👏👏
新型コロナウイルスによる社会状況が投影された内容で、無観客の国立競技場のシーンなどはヒーリングっとプリキュアという作品ができうる最高峰のシーンであったと思う。
🔶それから敵の思想も考えさせられる。今作の敵は自分の娘を守ろうとして、周りを犠牲にする”エゴイスト”の母親なのだけれど、この動機の背景にはリーマンショックや東日本大震災による子供の生育に対する危惧があり(それを思わせるシーンが断片的にあった)、しかも現代のコロナ禍も交えながらその不安がシャープに表現されている🤔🤔
多分これを観た親子さんはめちゃくちゃ考えさせられたと思う。
🔷そして、娘を守ろうとする彼女の意思は、エゴエゴという化け物の誕生に起因してしまうというところも面白い。かならずしも善意が良い結果を招くわけではないのだ。そしてプリキュアたちは、善意だけでなくその精神の在り方が重要だと今作で説いているのだ。いや深いこと言うわ
これぞまさしく、リアルでもストーリーでもコロナと戦ってきたヒーリングっとプリキュアだからこそ語れる論である。だからこそ、そこにプリキュア5が茶々を入れるのが私は気に入らないのだ。
🔶そして、付属されていたトロピカル〜ジュプリキュアの短編も素晴らしい。さすが大塚監督である🏖🏖
トロプリのユーモラスの一面を伝えながらも、コロナによって公開延期などの不憫を食らったヒーリングっとプリキュアに対する最大限の供養もしてみせた。あのエンディングの演出は本当に最高だ。あれがあっただけでもヒーリングっとプリキュアが救われたと言える。
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🌸まとめ🌸
素晴らしい作品であるが、やはりプリキュアという作品のどこかにだらしのない商業主義を信仰する輩がいるのだと実感させられる。商業主義であることは別に良い、しかしどうにも幼児たちがプリキュア5を観て喜んでいる姿が私には想像できないのだ。