デイジーベル

キャット・ピープルのデイジーベルのレビュー・感想・評価

キャット・ピープル(1981年製作の映画)
3.6
「ウーウーウー ウーウー♪ウーウーウー ウーウー♪」

◯概要◯
猟奇映画の古典を「ポール・シュレイダー」監督が現代の感性でリメイク(かなりの改変)した作品。
少女の純真さと愛欲に揺れ動く危うい魅力を「ナスターシャ・キンスキー」が官能的に美しく演じる。更に衝撃の″変身シーン″や、「ジョルジオ・モロダー」の音楽と「デヴィッド・ボウイ」の歌が妖艶な世界を描いている。

◯物語と感想◯
呪われた猫族の女の悲劇を描いた物語。
″悲劇″や″悲愛″とゆう言葉だけでは片付けられない生々しさと強さと悲しさが迫ってくる。最後に2人が選ぶ″究極の愛″のかたちとは…。

「澄んだ緑の瞳と燃えるように赤い唇」

ナスターシャ・キンスキーの美しさ(若さとセクシーさと存在感)はこの作品がピークと言っても過言ではないぐらいに素晴らしい。いやらしさを感じないノーブラニットのお姿に我々は息を飲んで見惚れる事しか出来ないでしょう。
ゴシック調で重厚感のあるモロダーとボウイのメロディはこの作品の為に書き下ろした曲だ。(アルバム「レッツダンス」に収録されている同曲はダンサブルにアレンジされている)
SFX技術の結集とも言える、力を入れたグロさ際立つ″変身シーン″は80年代の象徴とも言えるだろう。(「狼男アメリカン」や「ハウリング」、「狼の血族」など)

◯雑記◯
猫好きは当たり前として、動物園好きにもオススメとも言える本作。
※ちなみに本作のミューズである「ナスターシャ」と監督の「シュレイダー」にはロマンスが生まれたが、撮影後に程なく破局を迎えた。物語の裏側にもあった、「成就しない愛」に想いを巡らせてみても深い味わいが生まれるかも知れない。