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エイブのキッチンストーリーのfinancierのレビュー・感想・評価

3.5
2023年10月以前に観るべきだった。

やさしくて暖まる温かな作品風。
大丈夫?エイブくん、良い子症候群じゃない?

父母のどちらの実家も異教徒との結婚を許し、姻族と交流するのだからかなり世俗主義なのだけど、言い合い出したら止まらない。
非セム族としては、ただただやめて欲しいなとしか思えない。でもやめかたは、わからない。

この映画のようなルーツを持つ家庭は現実にもあろうけど、実際こんな交流はあるんだろうか。

父母の曖昧さ、迂闊さはあんまり納得いかない。
相容れないルーツを持つものとして、子供ができた時点、せめて物心付く前に養育方針決めておくべきでは?
両親間での宗教的態度についてのダブルバインドはもはや虐待。エイブをどうしたいの?

あと、一旦帰宅してからの食事再開シーンも、(ストーリーとしては)良い場面なのはそうだけど、
アメリカの(片田舎じゃなく現代の)ブルックリンという設定上、「警察は…??」ってなってわりと気が散った。

それとお父さんが棄教してる(?)ためか、ムスリムの空気がラマダンの影や飲酒にまつわる二言三言くらいでもうちょっと欲しかった気持ち。

最後のシーンの背景のマンハッタン、2001年の半ばまではツインタワーも見えた景色。
エイブが生まれた時にはもう無かったんだね。
その景色はアメリカ人として〝しっくり〟きてるのかな。
パールハーバーのように、忘れられないんじゃないかな。少なくともあと数十年は…。

表面的に観て、ほっこりな良い作品だった♡って思えた方が楽だった。
子供に負わせるもんじゃないものを配慮無くドカドカ乗せて、その解決を子供にやらせてるっていう風に見えて、ストレスになっちゃった。
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