健一

逃げた女の健一のレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.5
あゝ。結局 観てしまった。3年前。
「それから」
「夜の浜辺でひとり」
「正しい日 間違えた日」
「クレアのカメラ」
「草の葉」
「川沿いのホテル」と。
5ヶ月間で6本もホン・サンス(監督)&キム・ミニ(主演女優)の 不倫カップル の作品を劇場で観てしまった。
4本目の「クレアのカメラ」があまりにも つまらなかったので、この不倫カップルの映画は 二度と見ない と誓ったのも束の間、『東京フィルメックス』で後の2本を見て そこそこ良かったので 今回3年ぶりにこの不倫カップルの作品を鑑賞してみた。
結婚したの? 結局この2人?
本作のフライヤーの裏には『公私のパートナー』だって! ふ〜ん。

ある人妻(?)。
5年間 1日たりとも夫と離れた事がない。
そんな夫が出張。
久々の『お一人様』に彼女は 昔お世話になった二人の先輩を訪ね その後『ワケあり』の旧友と偶然の再会を果たす。
三人の女性たちとの再会。お互い何でもない 普通の日常 をひたすら語り合う。
普通とは? 日常とは?
女は『今』から逃げたのか?
『過去』から逃げたのか・・・

77分という尺。
見やすいのか、物足りないのか。
内容的にこの尺が限界なのか?
「逃げた女」。このタイトル。
深いのか? 浅いのか?
観客の私達は受け入れ、考えなければならない。
ひったすら、成熟した女性たちが喋っている。
離婚してある女性とシェアして暮らしている先輩。
自由気ままな独身生活 仕事も暮らしも順調。
なのに満たされぬ『何か』 の先輩。
偶然出会った旧友。彼女は手を握り『あの時は ごめん。』と詫びる。
彼女たちのバックグラウンドは会話の中から探らなければならない。
観客はひたすら考える。
この尺、このタイトル、女たちの会話の意味を。
そして、このラスト! ん?
鑑賞後も我々は この作品の事を考えなければならないみたいだ。

ホン・サンス監督。少しは腕を上げたかな?
今回はなかなか面白い作品を作ってくれた。
勝手な解釈だが、監督の過去作はモノクロ作品は素晴らしいのに カラー作品は 超つまんない(笑)。
本作もモノクロで撮ったら もっといい作品になっただろうに。

『髪の毛 随分 切ったわね。』
『ええ、自分で切りました。』
今回のキム・ミニのヘアスタイル。
なんか彼女に似合ってない。
昔のストレートヘアーのほうが可愛かった。

『愛する人とは 何があっても一緒にいるべき。』
女は夫にいつも言われている。という設定。
不倫カップルのあなた達に言われる筋合いは無いし 説得力がないよ!
公に不倫を公表し 整然と映画を作り続けているこのふたり。
まさに『不倫は文化』か!(古い)


2021年 6月14日
ヒューマントラストシネマ有楽町screen 1
💺162席
客入り 半分は埋まってた。

超久々に後ろの席の人におもいっきり自分の座る座席を蹴っ飛ばされた。
や め て く だ さ い 、
健一

健一