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GOGO(ゴゴ)94歳の小学生のasukaのレビュー・感想・評価

GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)
5.0
ドキュメンタリーってやっぱり好きだ!と感じた2020年。
人生って1回限りだし、この人生では味わえない感情や経験、それらを知れるのがドキュメンタリー。
そう思い始めてからは観るのがとても楽しくなってきた。
この作品にも出会えて本当によかった。


3人の子どもと22人の孫、そして52人のひ孫がいるケニア在住の助産師歴75年の94歳のプリシラ。
ゴゴっていうのは『おばあちゃん』っていう意味らしい。
観るまでは「GO!GO!かな?」くらいに思っていた私w


これまでに沢山の作品を観てきて、時々学校へも行けなかったとか、字が読めないような人物がいるとは思っていた。
そんな彼らの多くは戦時中に生きていた人たちという印象。
日本で生まれ育った私は義務教育が当たり前だったので学校へ通えないとか、字が読めないっていうのはどこか現実味のない話だった。
しかし、今でも1億3000万人以上の少女が学校に通えないでいるという事実があること。
学ばせるなら女の子ではなく、男の子を優先するという考え方があるということ。
この現代にそれらの事実があるということに、とても驚いた。

ゴゴも幼少期に学校へ通うことができなかったし、その後も学校へ通うチャンスがなかった。
特に驚いたのは村によって異なるようだが、女の子の多くは妊娠したら学校を辞めて、結婚して家事をしているケースが多いということ。
どんなに優秀で勤勉であったとしても学校を辞めざるを得ない環境ということに驚いた。


ほんの少し、周りの生徒より歳をとっているゴゴは、老人施設に入りなさいと周りの人に言われても「制服はいいものだ。特別なばあさんにしてくれる」と言いながら小学校へ通っていて、その姿はとても素敵だと感じた。
学ぶことに年齢は関係ないし、自分がやろう!と思えばその時点からスタートしてもいいんだという勇気をゴゴが与えてくれたように感じた。

また、ゴゴの夢だった自身の名を冠した寄宿舎を完成したときには胸が熱くなった。
300人の女子生徒がここで寝泊まりできる場所。
それは即ち、新たに300人の女子生徒に学ぶ機会を与えることができるということ。
それって本当にすごいことなんだよなぁ。

可愛い制服に、ふぁー!こんな修学旅行なのね!とびっくりしたり。
本当に素敵な作品と出会えたと思う。


もう、観ながら「あああ、この言葉書き留めたい!」と思ってメモ取りまくってたからえらいことになったw


・『将来のために学び続けよう
知識を増やす
親の時代にはなかった機会
知識は財産になる』
ライセンスを取ったら終わり!ではなく、生涯学習や自己研鑽の必要性を改めて感じた。

・「お産はまだ?」
『じっと辛抱して待つんだ。この世にいる限り助け合うんだ。そして学ぶ。
退学したのは間違いだ。子どもがいても学べる』
ゴゴの姿を見て、勇気づけられた人(まさに新入生のディナ!)だったり、村の若いお母さんたちはきっと学習する気持ちや勇気が芽生えたんだろうなぁ。
学ぶことは今からでも遅くないと感じた。


監督へのインタビュー動画でも大切なことが伝わってきたので忘備録として
・この映画で伝えたいことは特に少女たちへの教育の重要性
・未だ世界には就学困難な地域がある
・恵まれない環境にも関わらず秀でた知性の持ち主もいる
・貧困や困難と戦っているこうした子どもたちの知性を伸ばすためにも小学校だけでなく中学校にも通えるよう支援することが大切
・貧しさゆえに勉強を続けられない子どもたちがまだたくさんいる
・コミュニティや国を支援することが必要


UNICEFのオンライン試写会にて鑑賞。
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