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ザ・コールのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・コール(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2011年のイギリス・プエルトリコ合作映画「恐怖ノ黒電話」が原案らしい(参照→ https://eiga.com/amp/movie/94025/)

電話を使ったタイムリープ物ということで韓国の連続ドラマ『シグナル』のパクリかと思ったが、通話の相手がまさかの殺人鬼。というか虐待を生き延びさせたことで殺人鬼を生み出してしまうという、何とも運命の皮肉を感じさせる映画。なんというか、不可逆的な時間をいじっちゃいけないね、という教訓を得た。

Netflixのあらすじ説明に「運命を変えようとする連続殺人鬼」というようなひどいネタバレが載っている。ヨンスクが殺人鬼になるのは中盤だろうに。あらかじめ読んでいなければ彼女が恐ろしげな祈祷師の母親に殺されるか否かでハラハラしていたはずだ。

ソヨンは蘇った父親との生活に満足し「悪魔祓い」と称した虐待を受けているヨンスクとの電話を忘れたり、最後も自分は部屋に閉じこもって母親に戦わせたりと、ファイナルガールとしてはいまひとつ物足りない。だから最後、20年間もヨンスクに地下に監禁される羽目になってしまったのだろうか。ファイナルガールの道はかくも険しい。

ソヨンは未来にいて、しかもなんでも調べられる機械が手元にあって、あの短い時間であんなにメモ取ってたのに活かされなかったのが大きい。あのビニールハウスで物音がしたのはまったくの偶然なので、ヨンスクの方がついていたということか。

ヨンスクは彼女を小綺麗なまま監禁していたようだが、心をこめてお世話をして、殺人の様子を見せることで絆を確認でもしていたのだろうか。最初、侘しい生活を送るソヨンがさらに最悪の生活に陥ってしまうという後味の悪い映画だった。しかし二人ともどうやって生計を立てていたのかよく分からない。

パク・シネとチョン・ジョンソが渾身の「クソ女!」(シーバーラーマ)を言い合う作品。日本でリメイクするならソヨンは上白石萌音、ヨンスク役は小島瑠璃子がいい。

ソ・テジと彼の歌が重要な時代参照物となっており、「懐かしい!」と思った。
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