みるふぃ

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのみるふぃのレビュー・感想・評価

-
予告を見たら、出版社版プラダを着た悪魔!と謳ってたので何となく気になってみたけど
鬼上司VS主人公なんてことはなく
むしろ主人公がサリンジャーのファンレターなどを通じて自分自身に問いていく自己内省の話だった。
上司も怖い人かと思ったけど全然そんなことはなかった。

私は小説や詩は書かないけど、イラストをいずれ仕事にしたいと思っているから所々刺さったなー。
サリンジャーの「書いてるか?」「朝の15分でいいから毎日書き続けるんだ」といったセリフ
そしてファンレターの(妄想?仮想?)男の子との「1番嫌なのは?」「書かない自分」という対話。

とても刺激を受けているのに筆が重い。
彼女は最初の一言が書き出せないのか、書き続けられないのかわからないけど自信がないのかなぁと思った
日々の仕事に忙殺されて、大した感情の荒波も立たず毎日が過ぎてゆく。人の手紙を読み、その人に思いを馳せるだけの日常…
まるで手紙一通一通を一冊の本のように読んでいく。それでジョーは胸がいっぱいになってしまったのかな?
私も人の作品を見るの好きで、だからこそそれで少し満足してしまう。でも自分の中の溢れる創作欲も消えたわけじゃないから、どうやって形にしたらいいか悩んだりする。
本当は自分も作品として残したいのよね。

ただ素朴に、でも凛として前を向いて歩くジョーの姿が印象に残った。


サリンジャーから返事をもらわないと評価を落とすと言われて手紙を書いた女子高生にはイラっとしたけどね。
それはお前が努力して勉強しなかっただけだろ笑


実話の本を元にしたということで、読んだことないから全部本当のことなのかがわからないけど、ショッキングな事件が起きたことによって自分の中の何かが焚き付けられることってあるよね。
ジョーも踏み出せてよかった。


終わり方が結構好きでした。
みるふぃ

みるふぃ