こういうジャンル映画をオフビートで撮る難しさを結構目撃していて、ジム・ジャームッシュのデッド・ドント・ダイとか、ベテランが昔取った杵柄で手を出してしまうと、反感を買ってしまうところはありますよね。
特に最近の三木聡はかつての成功体験に固執しているきらいがあり、この「優しい笑い」の時代で、全てがオヤジギャグ化しているのが確かにツラい。下ネタ後に笑い待ちっぽい間があるのもツラいし、役者たちの言葉の端々から言わされている感が伝わってくるのもツラいよ。とくに西田敏行。オフビートでオーディエンスをついて来させるのに「情熱」が必要なことは「カメラを止めるな」で証明されていて、役者にあんな固い演技させていては、映画館で笑いは起こせないだろうなーと思いながら観てました。
ただ、私はけっこう楽しめました。ジャニーズも土屋太鳳も頑張ってたし、オチも良かった。ストーリーもよく練られていて、根本はちゃんとした人たちが作ったちゃんとした作品なんだと思います。
