椎拉貫首

大怪獣のあとしまつの椎拉貫首のネタバレレビュー・内容・結末

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

『前置き』
 劇中の言葉を借りるなら、終始ウンコとゲロの匂いに満ちた映画でした。過度に下品な演出のせいで内容にまったく入り込めずただひたすら耐え凌いでいたという印象が強いです。

『怪獣』
 怪獣・希望が本来ならメインのはずなのに常に物扱い。怪獣がいかに生活に影響を与えていたのかは少しの時間とアイテムだけで説明するのみであとは生身の地形と大差ない使われ方をされ大変残念に感じました。もう少し希望がもたらした影響を回想などで掘り下げる時間は必要だったと思います。 

『人物』
 誰ひとり魅力的に見えるキャラがいません。下品なセリフに殺され、悪辣な演出に汚されただそこにいるヒト型のなにかでしかないという感じです。脚が義足である意味もないし、不倫や裏切りも最後まで物語に意外性を与えずひどいことをしている人々だという印象しか持ちませんでした。

『演出』
 内輪ネタに近い寒さのギャグしかなくそれをさも面白いだろうと押し付けてこられ大変不快でした。そのやりとりのせいで全体のテンポも悪くなり本当に何がしたかったのか分からない事になっています。怪獣の所でも言いましたが常に怪獣を下に見ているセリフが多く、この人達は今までどんなに怪獣に苦しめられたのかが垣間見えず世界観や空気感がとても薄く思いました。

 あとは子供に見せられない下ネタばかりで、せっかくこれから特撮が好きになるかもしれない子供に悪影響を及ぼすかもしれないと思ってしまいました。

『総評』
 恐らく三木監督はシン・ゴジラを大した物ではないと見ていて、このくらいなら作れるとたかをくくったんじゃないと感じてしまって仕方ないです。シン・ゴジラで廃されたテーマをあえて入れて出来た渾身の作品の売り上げはいかがだったでしょうか?土下座でもして東映や松竹にどうか怪獣映画を作るのをやめないでと嘆願するのが唯一の責任の取り方、この映画のあとしまつだと思います。
椎拉貫首

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