レインウォッチャー

VIDEOPHOBIAのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)
3.0
わたしたちは自分を何か連続した1つのものであると考えがちだけれど、「見られる」向こうには100万の他者がいるかもしれず、こちらの「見せる」意志なんてお構いなしに100万通りにカット&エディットされた違うわたしたちを作り出している。
そして、現代はそれが比喩とかイメージでなく、データとして実現して、現実にコストを払わせることのできる世界なのだ。(所詮データは形のないもの、なんてのはもう軽口にすらならない。)

何度かリフレインされる、演じることや化けること(着ぐるみとか)は防衛対策のように見えるのだけれど、結局はそれもまた誰かに「見られる」ことによって成立するのだと気付かされる。詰んでる?

怖い。のであるけれど、たまにモノクロがうまくいっていないというか、モノクロの旨味を感じられない時々があって、主人公の周辺がよく頭に入ってこなかった。それはわたしがこの鶴橋くんだりをカラーで見知り過ぎてるからなのか、それとも鼻炎で脳がいつもに輪をかけて鈍っているからなのか。あと音楽もなんと申しましょうか、その、かたはらいたし、かも。