ボブおじさん

シターラ: 夢を抱け、少女たちのボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.7
1930年代にリンドバーグに続き、女性として初めて大西洋単独横断飛行をしたことからミス・リンディの愛称で親しまれ、今でもアメリカ国民にとってのヒロインとして知られるアメリア・イアハート。

舞台はそれから40年後の1970年代のパキスタン。イアハートに憧れパイロットになることを夢みる14歳の少女パリは、まだ幼い妹と一緒に屋上で紙飛行機を飛ばして遊んでいた。小さな紙飛行機に大きな夢を乗せて。

だが娘の結婚を望む父は、パリと親子ほども年齢の離れた裕福そうな男性との縁談を独断で進めていた…。

可愛らしいキャラクター達と色鮮やかな衣装の裏に隠された現実。今でも世界中で毎年1200万人の少女たちが児童婚により夢を奪われているという。

過去や他国の風習や文化を現在の自分たちの基準や倫理観に当てはめて一方的に断罪するつもりはない。だが、事の善し悪しはともかくとして現実を知ることは必要ではないだろうか?

僅か15分の短編サイレントアニメーションの中に、知らなければいけない現実が詰め込まれていた。


ここから少しネタバレします


結婚式で終始下を向き悲しそうな表情を見せるパリ。家に飾られていた両親の結婚写真に写る花嫁も全く同じ表情で写っていた。

若く美しい母親もその昔、児童婚で嫁いで来たのだ😢

エンドロールに映し出される少女の姿は幼い妹の行く末か?それともパリの敵わなかった夢なのか?