JTKの映画メモ

風船のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

風船(1956年製作の映画)
4.0
かなり良かった。

川島雄三の堅実な演出が冴え渡る愛憎群像劇。

しかし三橋達也ってバカ息子とか人非人をやらせたら右に出る者はないな。黒澤作品でも嫌な奴やらせたらピカ一の存在感を放っとった。見とって腹が立つというかぶん殴ってやりたくなるでな。実際どんな人か気になるわ。

森雅之演じる役名は、村上春樹。でもスカした台詞は言っとらんかった。(笑)

同じく川島雄三作品の「洲崎パラダイス」でもそうだったが、新珠美千代の艶っぽいこと。

役者が軒並みいい。この頃の日本映画はいいわ。やっぱり。

極め付けはこの作品の肝となる珠子役の芦川いづみちゃん。超可愛い。
ちと頭がパーだけど心が綺麗で純粋な役を演じとったけど、同様に心が綺麗で純粋なアタシは、まるで自分を見とるようだったわ。がはは。

いい映画だった。
日本には黒澤と小津と溝口だけじゃなくて、川島雄三という素晴らしい監督がいたってことを再認識。