ブラウンソースハンバーグ師匠

マグノリアのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
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自分はマラソンみたいな長い映画が好きなので、漏れなくこの映画も好きです。

友達から「一番好きな映画は?」と聞かれたら、「マグノリア」と答えるようにしていますが、面白さを上手く伝えられないので、毎回気まずい思いをします。なので、近々この映画のことは嫌いになる予定です。

と思いながらも、いまだ私はこの映画から離れることが出来ないでいます。

冒頭から監督が顔を出しすぎていたり、『wise up』という歌をリレー方式で歌ったり、終いには禁じ手デウスエクスマキナまで。
アメリカの商業映画っぽさはあるくせに(トムクルーズとか出てるからね!トムクルーズとか!)なんか、ちぐはぐな群青劇です。

そりゃあ若き巨匠の撮った作品なんで、全てに意味があって繋がってて完成されているだよ!と思いたいです。思いたいですが、ちぐはぐなもんなちぐはぐなんです。

登場人物は、従来の群青劇みたいに合流して大団円を迎えるわけでもないし、登場人物には、死に直面しながら「問題」を抱える人もいるけど、他人からすれば「かすり傷だろ(笑)」と笑い飛ばされてしまいそうな「問題」を抱えている人もいる。自分より不幸な人、幸せな人がいることは分かっているだろうけど、でも、誰もが自分の「問題」に切実でいる。そこに等しくカエルの雨が降って、登場人物が快方する。
なんだそりゃって感じなんだけど、この誰しもが、問題を抱える存在そのものとして肯定されていく感じがたまらんのです。まぁ、やっぱり雑だけども。

あと、監督は他作品でもそうだけど、ロマンチックな「恋」ばっかり描く。「愛」って感じのずっしり感はあんま描かない。
なぜだ。