オーウェン

キャデラックレコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜のオーウェンのレビュー・感想・評価

3.0
どちらかというと後から出てきたモータウンレコードの方がレーベルとしてはポピュラーだが、このチェス・レコードはその礎を作ったと言われるドキュドラマ。

人物ではなくレーベルに焦点が当たっているため、創設者のチェス兄弟や、マディ・ウォーターズにチャック・ベリーなど複数の人物がドラマを形成している。
見所はやはりその時代の音楽であり、役者がそのまま歌っているのが実に迫力がある。

創世記から歌手を見出し、レーベルが力を持ち始める。
次々と有望な歌手を招き入れるが、頂点から落ちるのは当然のように麻薬やアルコール。
定番と言えば定番だが、この時代の栄枯盛衰にはどうしても上記の二つが絡んでくる。

だからこそのし上がっていく前半は見物であり、音楽との絡みも上手くとても楽しい。
だが後半エタ・ジェイムズが登場するころから画面は大人しくなる。
演じたのがビヨンセというのもあるが、良くも悪くも目立ちすぎて彼女が中心のように構成がすり替わってしまう。

「ドリームガールズ」もそうだったが、歌手が歌手を演じてもなんの凄さも湧かない。
歌声が良いのは誰もが知っているのだから、それ以外の演技の部分でアピールするべきだろう。

多数ある音楽もののドキュドラマでは残念ながら埋もれてしまうだろう。
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