このレビューはネタバレを含みます
これはすごいものを見た!
単純にストーリーだけ追えば衝動殺人の女が記憶の怪しい消防士のところに逃げ込んで出産するだけだが、荒唐無稽さがないくらいにリアリティがある。のにSF!
まずは痛々しい! 乳首ピアスだけでも痛そうなのにそれを噛みちぎろうとするとか! スプラッタではない、アメリカのホラーみたいにグロでもない、北野武風とも違う、目を逸らしたくなる痛さ!
主人公はタトゥーまみれのスタイリッシュさもさることながら、少年になってもかっこいい。モデルのような女性がドンドンチタンに侵食されていく。
車の中のマスターベーションは何だったのかと思ったら、あれはセックスだったのか! 何の説明もないのに彼女か車との間に子供を作ることに不愉快じゃないのもすごいよね。
場面場面のスタイリッシュさもすごい。メタルだけに傾倒せずにライトも火も効果的に使われていて、印象に残るようなシーンばかり。いつだったかの精神拷問映画「ルクス・エテルナ」をしっかり物語に落とし込んでいる。
最後に赤ちゃんが見えたので、ちょっとうーん、となったけど、見てよかった。価値のある映画だった。