akihiko810

キング・オブ・スタテンアイランドのakihiko810のレビュー・感想・評価

4.2
田舎のスタテン島で、7歳のときに消防士の父親が殉職してからというもの、スコットは自堕落な生活を送っていた。20代も半ばにさしかかったにも拘わらず、スコットは定職に就こうとせず、仲間たちとゲームやマリファナを楽しむ毎日を過ごしていた。その一方、妹のケルシーは勉学に励んでおり、ついには大学進学のために実家を離れることになった。
そんなある日、スコットは母親のマギーが消防士(レイ)と交際し始めたことを知った。「何故母さんは消防士を選んだのか。また先立たれるかもしれないのに」と困惑するスコットだったが、ビッグマウス気味のレイとの交流を通して、自分の生きるべき道を見出すことになった。

「愛すべきダメ人間映画」の新たなる傑作だった。
主役のピート・デイヴィッドソン(コメディアンだそうで、本作は彼の半自伝映画だという)、ミック・ジャガーみたいな大口がイカス男なのだが、本作におけるダメっぷりは素晴らしく面白かった。
そんな彼が消防士のレイ(母の交際相手)と交流し、消防士の働きを間近でみて、自分自身の生き方を見つめなおす…という話。

なのだが、本作の面白さはなんといってもピート・デイヴィッドソンのおまぬけ・自堕落ぶりであり、そんな彼と彼に関わる人がてんやわんやする様が見てて楽しい。「自堕落おまぬけでも、問題なく生きられる」のは彼に愛嬌があるからであり、その愛嬌がみていて心地よい。「愛すべきダメ人間」を描いた良作~傑作映画だった。
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