ヤクザと銘打っているがドンパチ系ではない、どちらかと言うとヒューマンドラマ。
ヤクザの親分に拾われた身寄りの無い主人公の一生。
「ヤクザは家族」として親分を慕い兄貴分の代わりに懲役したが、出所したらヤクザとしては生きれない世界に変わっていた。
組員は居なくなりシノギも無くなりヤクザは最早時代遅れの象徴のようになっている。反社に居場所は無い。代わりにヤクザでは無い半グレと言われる新たな世代が台頭していた。
親分も病に倒れ昔の仲間も離れ、昔好きだった女とも少しだけ一緒に居れたもののトラブルでわかれ…居場所の無い虚しさが丁寧に描かれている。
ヤクザを擁護するつもりは毛頭無いが、今や化石となった「男」「義理人情」という価値観が全く無くなってしまうのも寂しいなあ…なんて思ったり。
味わい深い作品。