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あのこは貴族のakihiko810のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.7
山内マリコ原作(原作未読)

東京に⽣まれ、箱⼊り娘として何不⾃由なく成⻑し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華⼦。20代後半になり、結婚を考えていた恋⼈に振られ、初めて⼈⽣の岐路に⽴たされる。あらゆる⼿⽴てを使い、お相⼿探しに奔⾛した結果、ハンサムで良家の⽣まれである弁護⼠・幸⼀郎と出会う。幸⼀郎との結婚が決まり、順⾵満帆に思えたのだが…。⼀⽅、東京で働く美紀は富⼭⽣まれ。猛勉強の末に名⾨⼤学に⼊学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。幸⼀郎との⼤学の同期⽣であったことから、同じ東京で暮らしながら、別世界に⽣きる華⼦と出会うことになる。
⼆⼈の⼈⽣が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく…。

「階層」の違う二人の女性の物語。
自分も一応、東京の「お坊ちゃま大学」と言われるところに通った「中流階級の田舎者」なので、美紀の気持ちはわからなくもない。東京の金持ちは学業だけでなく、趣味の分野でも「俺たちの知らない」文化カルチャーを知っていて、文化階級の違いをまざまざとみせつけられることなんてざらにある。そのたびに軽く嫉妬していた記憶がある。

しかしこの映画、上流階級の華⼦の「中身空っぽさ」がすごく、ムカついてしまった。二十数年間、何をして生きてきたんだ君は!?と問いただしたいくらいだった。
低階級出身の美紀も、人生を必死で生きているは生きているが、特に目標があるわけでもなく、そんな「やりたいこともない」二人は、今の若者のある種のリアルなのかもしれない。
2人の関係性も、「シスターフッド」的な関係性に発展していくと評す人もいたが、私にはそこまで強調する関係性には見えず、実に「現実的な」友人関係に発展していく感じがあり、それもある種のリアルと言えばそうなのだろうと思った。
(シスターフッド的関係を描いた作品は「メタモルフォーゼの縁側」「作りたい女と食べたい女」など、漫画発コンテンツの方が、一歩どころか数歩抜きんでてると思う)

この作品は高評価で、Filmaksでも星4とのことでかなり期待したのだが、若干の期待外れな感じはした。「普通程度」の作品
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