Fumie

FLEE フリーのFumieのネタバレレビュー・内容・結末

FLEE フリー(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アミンが友人に映画監督に過去を語る、それをプライバシー保護のためアニメーションで描く。いやむしろ実写の再現映画として撮影されていたら辛くて観ていられない...

日本の外国人に対する差別や収容所での凄惨な事件を思い浮かべ、このような難民の事実を知っていてもなお日本はこのまま鎖国マインドで進むんだろうか、人権軽視にも程がある、と怒りがわく。

この映画のテーマ、行き着くところは人権問題。父親が連れ去られたことから始まり、ロシア警察の非道さ、姉たちが亡命する際のコンテナ詰め込み、冬のロシアを歩いて移動しボロい船に乗せる業者の存在、いやそもそもそんな業者が存在してしまうのはそれを必要する状況を生んでしまっていることが問題なのだが、そして遭遇したデンマークの客船から難民の写真を撮る客たち、あれはえぐい、見世物だった、自分には関係ない世界に住む人たちと言わんばかりの行動、恥ずかしかったというアミンの言葉が辛い。そして自らが同性愛者であることの戸惑い。
人権が守られていれば起きえないであろう苦しみばかり。
ずっと過去を偽って生きていたら人を信じることが怖くなる、でも信じることを再び信じることができたのは辛いながらも一緒に信じ合って生きてきた家族におかげなのかなと思い、最後パートナーの元へ戻ったとき、ていうかパートナーが待っていてくれたことも、感動と安心で涙が出た。
Fumie

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