はぐれ

スパイの妻のはぐれのレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.0
イデオロギーの問題であったりあまりに汚しが少ない綺麗すぎるNHKのセットだったりでケチのつけやすい作品だけど、夫を信じて愛し抜く妻の純愛物語なんだと考えるとそんな些細なことも気にならなくなる。

主人公が都電に乗る全てのシーンで窓が逆光で白飛びをしていて外の景色が一切見えない。これたぶん予算の関係でそうせざるを得なかったんだろうけど、この演出のおかげで夢想感やおとぎ話感が強まり、逆に史実的なリアリティは著しくなくなってしまった感がある。いいのか悪いのか。

劇中で挿入される戦地で病死した若き天才監督・山中貞雄の傑作『河内山宗俊』。その映画を選んだ監督の真意を聞いてみたい。
はぐれ

はぐれ