Omizu

ウォール 絶体絶命のOmizuのレビュー・感想・評価

ウォール 絶体絶命(2019年製作の映画)
3.3
【第76回ヴェネツィア映画祭 国際批評家週間グランプリ】
レバノンの作品。ヴェネツィア映画祭国際批評家週間に出品されグランプリ、観客賞、技術貢献賞の三冠を達成した。監督は本作が長編二作目。

これは邦題が悪い。B級ホラーみたいなタイトルとジャケットだけど、実際はかなり真面目な社会派スリラー。

レバノンで実際に起きていることをもとにしているという最後のテロップからも分かる通り、緊迫した状態を切り取った一作であるのは間違いない。

ほぼ一室の中で展開するワンシチュエーションスリラーで、主人公を中心にそれぞれの思惑が交錯する。

主人公が幼い頃に見た光景がとても美しく印象に残っている。

ただ、ツッコミどころや粗い部分があるのは確か。

一階を犬にだけ確認させて自分では確認しないのってある?緊迫した状況なんだよね?

あと演出が拙く、音楽の使い方も商業的な感じ。引きのカメラで恐怖を演出するのは少しベタすぎだし、カット割りすぎで緊迫感がない。

最近同じようなのだと『シリアにて』はかなり上手かった。ワンシチュエーションで緊迫感もあったしなかなか壮絶だった。

悪くはないけどもう少しよくなる余地はあるなという印象。
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