ハレルヤ

ボヤンシー 眼差しの向こうにのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.9
カンボジアで貧困家庭に育つ14歳のチャクラ。お金を稼ぐために仕事を紹介されるも、それはタイでの奴隷船。劣悪な環境での労働を強要され、心身ともに磨り減っていく彼の姿を描いた物語。

1日22時間にも及ぶ過酷な重労働。休む間もなく、疲れ果て使えないと思われた者や反抗した者は容赦なく殺される。まさに死ぬも地獄、生きるも地獄。今の世界でも問題となっている奴隷のような生活を強いられる人の現実を描いた作品。

そんな修羅場を多く体験して、次第に表情が険しくなっていくチャクラ。彼の目線を通じてこの出来事を追体験している気分になります。

目立った演出は無いのに高い緊張感が維持されて、暴力で支配する船長たちに怯える日々。チャクラが辿る運命はどうなるのか。最後まで目が離せませんでした。

日本ではなかなか実感しにくい東南アジアの貧困に潜む悪事。それを知る意味合いでも見る価値はある作品です。
ハレルヤ

ハレルヤ