面白い！
超高速移動できるスーパーヒーロー〈フラッシュ〉の話を、
過去改変SFに仕立てた傑作。
他のSF作品でも「超光速」を巻き起こすことでワープすることができるというSF設定があるのだが、本作ではそれをタイムリープと結びつけているところが面白い。
それによりただのスピードマスターの〈フラッシュ〉の話を、過去改変地獄から抜け出せない自分を乗り越える、という話に昇華されている。
そう、これはスーパーヒーローものに見せかけて、実は本質は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のリメイクなのだ。
だからこそ、作品でたくさんのオマージュが出てくるし、
ノリも『IT』のアンディ・ムスキエティ監督とは思えないほどコメディリリーフが散りばめられている。
フラッシュの疾走感溢れる映像は刺激的で見ていて飽きないし、
まさに「タイパ」世代にはうってつけで、シーン切り替えの「テンポすらフラッシュ（俊速）」。
しかも、ママの至言で「諦めなければいけないこともある」と言いつつ、
結局最後、パパの容疑は晴れてハッピーエンドになる…というオチ。
（なんならバットマンが過去作のジョージ・クルーニー版の世界戦になってしまったことをオチに使うほどの余裕すらある）
やはり、そういう後味の良さすら『BTTF』感。
エズラ・ミラーの過去の自分との演じ分けがみごとでしたね。
