菩薩

ダイアモンドは傷つかないの菩薩のレビュー・感想・評価

ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)
3.5
1982年『ダイアモンドは傷つかない』、2012年『アイ・ウェウェイは謝らない』、そして2020年『岸辺露伴は動かない』、と並べてみたが当然なんの関係性もない。清く正しくオッサンキモキモファンタジーであり、某まともじゃない映画よろしく予備校教師とのグズグズパパ活ムービーであるが、こちらは見事な批判も懲罰もあるだけだいぶマシである。田中美佐子が人類史上最も可愛すぎてそれだけで食パン5斤は食えるが、彼女は山崎努の3号さんとして家を与えられる一方で、絶対に登る事の出来ない2号→本妻への階段を前に擦り減っていく。タイトルは完全に映画内の状況の裏返しであり、彼女が与えられる結婚指輪にすらならないぶかぶかの指輪もダイアモンドでは無い、ただその「若さ」だけは宝石の様に輝いている。いつだったかたしか石田純一らへんが「女子大生が経済を回している」的な事を言っていた様な気がするが、その前段階のバブル突入以前の日本の姿と時代の肖像としての田中美佐子は正しいのかは知らんが、元帝国軍人の下っ端炊事係の敗北としては正しい末路なのだろう。朝丘雪路だけは清順映画から借りて来たくらいぶっ飛んでる、早稲田の100キロハイクってあれか、朝井リョウがエッセイで書いてたやつだ。最後二人がマスク姿で並ぶのがなんとも意味深、お前らはもう口出すなって引導を渡してる様にも見える。
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