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ザ・スイッチのohassyのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.5
入れ替わりモノで一番の見所といえば、これはもうなんと言っても俳優の演技である。
入れ替わったあとのなんと楽しそうなこと。

今までで一番楽しそうだなあと思ったのは、ジョン・ウーの最高傑作(とまでは言わないが)、みんな大好き「フェイスオフ」のジョン・トラボルダ。
妻を大切にする正義感の強い刑事役からテロリストに入れ替わったあとの、生き生きとした演技は本当に楽しそうだった。

本作は女子高生と殺人鬼が入れ替わるので、前述のようなおじさん同士では表現できない、年齢や身体的なギャップをネタにすることも出来る。
特に女子高生から突如小汚い太ったおじさんになってしまった主人公・ミリーは、重い身体と変なニオイ、股間の異物を抱えながら殺人鬼として追いかけ回される絶望。
それを、本当に入れ替わっているようにしか見えない演技で魅せるヴィンス・ヴォーンが本当にすごくて笑ってしまう。
ミリーが憧れるフットボールスターとのラブロマンスは本当に最高で、イケメン男子高校生とおじさん姿の女子高生のラブシーンについキュンと来てしまった。

一方の女子高生になった殺人鬼は、その立場を生かして新たな殺人をとことん楽しむ。
生き生きと人殺しをする女子高生の姿は、これがジャンル映画だったらB級感漂う作品になるところだが、入れ替わり設定のおかげでしっかりエンタメ映画としてスプラッタも楽しめてしまう。

自分の得意な(好きな?)ジャンルをとことん突き詰めていくクリストファー・ランドン監督のスタイルは、学ぶべきことがたくさんだ。
緊急事態宣言のドタバタでなんとなく公開が終わってしまったけれど、なんとなく早々に動画サービスで登場しそうなので、家で気軽に観る作品としては最高だと思います。
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