カズナリマン

オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのカズナリマンのレビュー・感想・評価

4.2
南アフリカの海で、一匹のマダコに魅せられた男が彼女を撮り続け、心を通じ合わせる物語。
ほんとに一匹のマダコの生を映し続けるだけなんだけど、なんとも面白い!そして彼女の毎日から詳らかになる自然の凄さ、そのダイナミズムが伝わってきます。
変なプロ目線の分析や他のタコとの比較などが出てこないのがいいですねーー。多角的な目線や化学的な目線を安易に持ち込まないことで「彼女」がイチ生物としてパーソナリティが立ち上がるのがドキュメンタリーの手法としても面白い。
また、主人公が男性で、彼女を観察する目線の暖かさが、感情的な視点になってきて…やがて観客も彼と同じ気持ちで彼女を見守るように…
いやーー、身近でない生物を観察するだけのドキュメンタリーがこんなに心揺さぶれるモノになるなんて。スゴイなあ!
その秘訣は、彼女に名前をつけなかったことですかねぇ。安易にエモーショナルな目線を持ち込まないことが不思議とより本作を感動的にしていると感じました!