のほほんさん

ボルケーノ・パークののほほんさんのレビュー・感想・評価

ボルケーノ・パーク(2019年製作の映画)
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サイモン・ウエスト監督が中国製作品でメガホンを取った、タイトル通りボルケーノな映画。
私の大好きな「コン・エアー」を始め、ハリウッドで彼が作ってきた作品もやっぱりザ・娯楽!な作品が多いのだが、無茶苦茶な中にも丁寧さがあった。
本作はその丁寧さを捨て去り、娯楽に振り切り過ぎである(笑)


次から次へと都合よく降りかかるピンチの連続、そしてこれまた都合のよい救済。中でも特筆すべきは孫娘の到着を待って亡くなる祖父。
半端にリアリティを持ち込まないおかげで、清々しいほどに真正面から大上段に振りかぶって「どうだ!楽しいだろう!」と言ってくる感じ。確かにめちゃくちゃ楽しい。


その清々しさはキャラクターにも表れていて、最大の悪役候補のはずのパークの創設者(ジェイソン・アイザックス!)が、愚かではあっても人としては良い人間なのだ。
パートナー(えらく美人)との間に子供ができなかった彼が、小さな子供の為に身体を張る。その子に託した時計が、2人をまた結びつけるという良いシーンも。
悪い気分を微塵も起こさせない。


そしてやはり父と娘が分かり合うに至るところはちゃんと描かれており、その驚くしかない再会も含めて良い話に帰結する。


6割アニメ、4割リアルなCGで描かれるパークは滝のトンネルを潜ったり洞窟に侵入するゴンドラがあったりとか確かに夢のようなパーク。


エンドロールではなんだか楽しそうな撮影風景が映し出され、その辺もなんだか愛すべき作品。金曜の夜にうってつけな一本であった