いろいろケチはつけられるが、とりあえずは約半年振りに劇場で観る映画としてこの作品を選んだ過去の自分を抱きしめてあげたい。
いつからか、何かに対して一途に熱中する人の姿を見ると条件反射的に涙が止まらなくなる身体になってしまったため、ずっと目を潤ませながら観ていた。
でっけえ話が小さくまとまっていく流れは賛否両論かもしれないが、逆にそのおかげでラストの小さい個人的なもののきらめきが増していた気がする。
監督兼脚本が映画のラストをどうするべきかという悩みと、個人の想いの揺れとか葛藤を重ねるという手法がうまくはまっていて良かった。
ハダシ役の伊藤万理華が1996年生まれだと知って腰が抜けました。
日本映画の(と言ったらまとめ過ぎかもしれないが)冒頭15分ぐらいの導入・説明パートの気恥ずかしさはどうにかならないものなのか。あの独特の空気感が苦手......。でもこの作品では、伊藤万理華の演技でかなりそれが緩和されていて、すごい俳優だなと思った。